今回は以前伺った八街の農家さんでトンネルづくりの研修を行った。トンネルとはハウスがない場合に使用されるものだ。簡易ハウスといってもいいだろうか。
八街は南房総よりだいぶ冷えるので防寒対策を万全にして向かったが、それでも少し寒かった。同じ千葉でも随分違うものだ。
さて、今回の作業であるトンネルづくりだが、こちらの農園にはハウスがない。変わりに横2m、高さ60cm位のトンネルと言われるものを作り、これをハウス変わりに使用している。
メリットとしてはまず資材が安い。作るのも比較的簡単にできる。
デメリットは耕すのにばらさなければならないところ。熱管理がシビアで冬でも開けるのが遅れると作物が熱でやられる可能性が高い。
メリット・デメリットともに甲乙つけがたいが、ハウスが手に入るまでの育苗用という使い方もできるので作り方を知っておいて損はないだろう。
すでにできているのがこちら。長さは75m程度ある。指導者一人で一週間くらいかかったそうだ。
それでは作業開始。まずはあらかじめ張ってあるマルチの上から骨組みになるポールを刺していく。感覚は約1mだ。
お次はこのポールの両端に長さ30cm程度の二股のピンを並べていく。ピンは一本の太めの針金を真ん中で折り曲げて二股になっている状態だ。
並べ終わったらビニールをかぶせ、パッカーで止めていく。
パッカーは一本置きに使用した。全て使ってもいいがそれなりに値段のするものなので必要最低限で使用したということだ。止めるときはビニールをしっかり張ってたるみがない状態にしたい。
ここまで終わったらさいごの仕上げだ。風で飛ばないようマイカ線で固定する。マイカ線というのは黒いきしめん状のビニールひもだ。固めでかなり上部なことから農業資材として広く普及している。
一本のマイカ線を図のように左右に一本ずつ進みながら地面に固定する。固定部分をアップしてみよう。
地中に刺したピンによって止められているのがわかると思う。あらかじめ並べておいたものだ。刺すときは地中が固くて刺しずらいこともある。無理に刺すと曲がってしまうので注意が必要だ。
最初の一本と交差する形でマイカ線を張り、完成だ。
さて、ここですでに出来ているトンネルを見てほしい。熱がこもるのを防ぐためビニールが開けてある。
開けているところのアップがこちら。
クリップのつまみ部分がストッパーの役割をしており、ビニールが下がるのを防いでいる。ビニールをかぶせるときはクリップのつまみ部分が下に行くようにクリップを回せばOK。素晴らしいアイデアだ。
完成したトンネルにはこちらのレタス苗を植えた。
トンネルは指導者と二人の作業で一本張るのに一時間はかかった。なかなかの労力だが、安さと機能性は素晴らしいと思う。露地で作るよりは安定すると思われるので状況に応じて活用してみたい。