【南房総オーガニック】~安房いろは農園~

南房総オーガニック長期研修での安房いろは農園の作業。

南房総オーガニック研修の2週目は安房いろは農園さんでの研修だ。が、初日は雨であった。しかも結構しっかり降ってた。

■雨なので出荷作業

ほんとはじゃがいも植えやマルチ張りなどもやる予定だったが、ネギの収穫及び袋詰めと、なすとピーマンの種植えとなった。まずはねぎの収穫。
ねぎ
ねぎは平地にまき、成長し、縦に長くなるごとに畝を高くしてねぎの胴体を土で埋める。こうすることで白くなり、甘味が増す。溝の水たまりでもわかるようにかなりしっかり雨が降っている。出荷がせまっていれば当然雨でも収穫することになる。当たり前だが農業は天候に大きく左右される仕事だと改めて実感した。

こちらの畑には小松菜も植えてある。少し赤いのが小松菜だそう。白いのは寒さや霜などから守ることのできるパオパオという資材。きれいにはがせば再利用できる。何かと資材に金のかかる仕事だから大切に使いたい。
畑

こちらは収穫したねぎ。雨で濡れてるだけでなく、泥もしっかりついている。
収穫したねぎ

ねぎはハウスで泥やかれた部分を落とし、きれいにする。黄色く残ってる部分は全て取り去る。
ねぎ梱包前

最後にグラムを計って数本を袋に入れる。この形で出荷するわけだ。レストランなどまとめて出荷するならば泥を落とさずに出荷することもあるが、一般のお客様に野菜セットとして出荷する場合はある程度やっておくことですぐに家庭でも使用できる。このひと手間が長くつきあってくれることにつながっていくのだろう。
ねぎ梱包済

■その後種植え

さて、お昼休憩の後はハウス内で種植えだ。セルポット登場。これは相当使うことになるなー
セルポット

まずはセルに土を入れていく。最初ざっくり入れた後、指で少し押してへこませる。そのあともう一度土をかぶせる。種を入れた後、土の密度があまりにふんわりしてると種との接地面が少ないために水が行き届かなくなり、水不足ということになってしまう。かといって詰めすぎると空気がこない。土はやさしく、かつしっかりつめておきたい。

その後、また指でへこみをつけ、種を配置していく。家庭菜園で経験のある方はお分かりだろうが、種の大きさはかなり小さい。うっかりすると植えているときに落として見失ったりする。今回植えているなすの種は30個入りで300円以上する。一個30円以上だ。感覚は人それぞれだが仕事で使うとなると決して安くはない。落としたり、失くしたりしないよう細心の注意を払って作業したい。
種を植える

種を入れ終わったらたっぷりと水をまき、同じ程度のプラスチックの箱でふたをする。
種_ふた
このふたは保湿の効果を持つ。逐一ふたをどけて種の状態を確認し、発芽したらふたは外してよい。新聞紙でくるんだりしてもいいが、確認するときに破れやすいのでこのほうが効率がいいのだそう。

安房いろは農園の農地は旧三芳村という地区に点在しており、移動に時間がかかるのが悩みの種ということだった。だが、新規就農して農地が都合よく近くに集まるとは限らない。どこにいつごろ何を植えるかなどしっかり計画することが重要だと感じた。

午前はじろえむさん、午後は安房いろは農園という一日

翌日は旧三芳村で養鶏とレストランを営むじろえむさんでたまごの採卵の研修をさせていただいた。

写真はレストランじろえむの入り口の茅葺屋根の門。実に立派だ。築300年の文化財レベルの代物でもある。
茅葺屋根

・生まれて初めての鶏舎にて

こちらの門の奥の山に鶏舎が4つある。鶏はその中で平飼いで飼われていて、鶏たちはのびのび暮らしている。鶏が健康なので、当然卵も健康なものを生む。デメリットはケージ飼いに比べてたまごの収穫量が減ってしまうことだ。

鶏舎の外からの鶏。朝だからか元気に鳴いている。
鶏舎

鶏舎の中に入ってたまごを採卵したが、特に攻撃されることはなかった。割れてるものは別にしておく。
たまご

・お隣の山でシイタケ収穫

そのあと山に生えているシイタケを収穫する。シイタケの菌は千葉では良く飛んでいるため、自然になっていることがよくあるそう。ただ、シイタケによく似た毒キノコもあるため、収穫するときはきのこに詳しい人の指示をあおぐべきだろう。
しいたけ

この後団体客が来たところで午前の研修は終了。じろえむさん忙しいところありがとうございました。
百姓屋敷じろえむ

■安房いろは農園にてハウスの溝堀

午後からは安房いろは農園の作業。写真はハウスの全体像。奥の下部分が開いているが、ここを開けたり閉めたりして中の温度や湿度を調節する。
ハウス

雨が多く降るとハウスの地面に刺さっている部分から水がハウス内に来てしまうようだ。これを防ぐために、ハウスの周りに溝を掘り、そこにビニールを張る。これで内部への浸水が防げるはずだ。トマト農家さんのアイデアらしい。トマトは高地原産なので湿度を嫌う。この方法で湿度や浸水の問題が改善できたらしいので取り入れることになったそう。

30m程のハウスの横を掘り続ける。なかなかの肉体労働だが、無心になれた。ユンボがなければ人力で掘るしかないので個人の農家さんはスコップをよく使うことになるそう。今ぐらいの季節なら問題ないが、夏にもこれをやるのかと思うと少し気が滅入るところだ。

■安房いろは農園3日目

・最終日は種植えから

まずはハウス内で種植えだ。と、その前にこちらを見ていただきたい。
発芽した種

こちらの種は全て同時にまいたものだそうだ。日当たりも変わらないのに全く発芽していないものがある。芽出しは作物を育てるうえでの第一関門となるわけだが、この第一関門がなかなかうまくいかないとのこと。失敗も想定して多めに種を植えるか、ストックを用意しておくのがいいだろう。

それでは種を植えていく。写真の種はサニーレタス系だったと思う。発芽が失敗することがあるので一つのセルに二つまく。両方発芽したらどちらかを間引くという方法だ。
種

・きぬさやネット張り

お次はきぬさやのネット張りだ。こちらはゆうゆう農園とは違い、アーチ状の金属のフレームに沿ってネットを張る。まずはフレームを土にさしていく。前日の雨のおかげで簡単にささるのは良かった。
フレーム

フレームには背骨の役割をする棒を通して金具で固定する。
金具

最後にネットを張る。きれいに張れてよかった。
ネット

・旧三芳村をお散歩

休憩中に少し旧三芳村を散歩させていただいた。案内人は指導者のお子さんで、これから小学校を控えた元気いっぱいの男の子だ。飼いネコが彼のあとを忙しそうについていく。まるで映画のワンシーンみたいだなー。

写真は安房いろは農園付近の旧三芳村一望。どうだろうか。この山奥の雰囲気はとても海の近い南房総市には見えない。もっともここから海へ行こうと思うと車で30分は走る必要があるのだが。
旧三芳村

山を開いたようなところだが、歩道はきちんと整備されている。見通しもいいし、歩いていて実に気持ちがいい。
旧三芳村_歩道

近くの山には昔お城があったらしい。その位置になにやら建物があるのだが、現在整備中で入れないとのこと。
旧三芳村_山

これにて安房いろは農園での研修は終了。是非今後とも参考にさせていただきたい。

安房いろは農園-ホームページ-
安房いろは農園-facebook-

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