南房総オーガニック長期研修でのおかもファームの作業。
おかもファームは農場が近くにまとまっているので移動が楽だ。まずは農場を見学させていただいた。
こちらは麦。すくすくと育っている。
そのとなりはソラマメ。雑草など気にせず順調のようだ。
ここにはほうれん草も植わっていた。
ハウスの中には春菊だ。緑がきれーだなー。
別のハウスには育苗中のセルポットもあった。200穴のポットだ。土の上の黄色いのはもみ殻だ。これを撒いておくことで保湿効果があるとのこと。
おかもファームでは農薬はもちろん、肥料も入れていない。だが野菜は立派に育っている。理想的な農法だ。麦が根を深く張ることで土壌清浄効果があり、豆類は窒素を固定することができるので、この二つをうまくローテーションして無農薬・無肥料で野菜を育てているそうだ。
■じゃがいもマルチ張り
さて、一通り回ったらじゃがいものマルチ張りだ。作業するのはこちらの畝。まっすぐできれいな畝だ。
これでもまだてっぺんがでこぼこなのでレーキの腹でならしていく。さらに鍬の背で軽くたたいて平らに伸ばしていく。これらはマルチを隙間なく張るために行う。
完了したらマルチ張りだ。指導者と二人で足でマルチをひっぱりながら土をかぶせていく。まあまあきれいに張れたのではないだろうか。
■草刈り機で草刈り
二列張り終わったら、今度は草刈りだ。バイク乗りならわかるだろうが、草刈り機は2サイクルエンジンなので、エンジンをかけるとガソリンと一緒にエンジンオイルも消費していく。なのでエンジンオイルとガソリンをまぜた混合燃料を作る必要がある。どちらも特に免許がいるものではないが危険物に変わりはない。保存場所など、万が一が起こらないよう気をつけて管理したい。
また、草刈りの事故も頻繁に起こっているそうだ。呼ばれて草刈り機と同時に振り向いて、足を切ってしまうというケースが多いらしい。呼ばれたらまずスイッチを切ることを徹底したい。できれば近くにいて声をかけてきそうな人(家族、一緒に住んでるパートナー等)には草刈り機時には話しかけないようにと一言添えておくのがいいだろう。
こちらが刈り終わった草たち。おかもファームでは作物を植えるところに雑草を入れないようにしている。雑草ごと耕すこともしない。刈った草は土手や、作物を植えない場所に固めておく。これも作物の生育に影響しているだろう。
■一人で畑づくり
一か月の研修成果を発揮して、こちらの農場のマルチはがし、草刈りと草よせ、耕うん、畝たて、マルチ張りまで、苗・種を植える一歩手前までやらせていただくことになった。広さは一反もない程度だが、自分にとっては初の大きい作業になる。身が引き締まる思いだ。
作業するのはこちら。枯れているのは空芯菜だったそう。収穫が終わり、これから整地して作物を植えていくという状況だ。
・まずは古いマルチはがしから
こちらが古いマルチ。意外とすんなりはがれてくれているが、ときおりしぶとく張られた根によりはがしづらくなっている。力任せにはがしてビニールの破片が残らないよう注意深くはがしていく。
かえるさんが登場。館山、南房総の夜は大抵かえるの合唱だ。
三本はがしてマルチはがしは終了。これで約2時間。先が思いやられる。
・伸びた草を刈る
この後はひたすら刈り払い機で草を刈っていく。まもなく肩が悲鳴をあげる。この軟弱な体をどうにかしたい。刈った草は後で集めて土手に運ぶ。この作業がなかなか大変だ。
ここでこちらの写真を見ていただきたい。上のマルチをはがした後と比べて、土の色が薄いのがおわかりいただけるだろうか。こちらは草を集めているあたりに撮ったものだ。時間は14時ごろだろうか。日が出てきて粘り気のある土が一気に乾いてしまった。土の深いところは湿っているだろうが、この短時間でこれだけ乾くのには驚いた。
こちらの畑は元田んぼだったそう。なので暗渠が入っている。一般的に田んぼの土は水はけが悪く野菜が作りづらいと言われるが、暗渠を開けておくことで排水を促し水はけが良い状態が作られているそうだ。
・耕うん機で耕す
草刈りが終わって耕うん機の登場。こちらの耕うん機は比較的小さめだがそれでも迫力はある。
最初は扱いづらかったが徐々に慣れてきた。が、油断は禁物だ。耕し残しの無いようにするのはもちろん、けがしないよう注意して操作したい。こちらは一回目の耕うん。まずは浅めで荒めに耕うんした。
二回目は深めで荒めにする。少し色が変わっているのがわかるだろうか。
最後は浅め細かめで耕して終了。スピードはゆっくりなのでこれだけで結構時間がかかってしまった。
・管理機で溝を掘り畝をつくる
畝は計四本作るのだが、三本はレタス用でマルチは張らない。使用するマルチは幅135cmと少し広めのもので、畝幅はこれに合わせて通り道も含めて125cm幅で作る。
と、その前に一回真ん中付近に管理機をかけた。
これはこの溝を境に左は水はけが良く、右は少し水はけが悪いそうだ。右には空芯菜が植わっていたそうだが、空芯菜は水を好むので水はけの悪さを利用して植えたということだ。この程度の広さでも場所によって性質が変わってくる。見極めが肝心だ。
さて、まずは管理機を通す目印を立てる。メジャーで幅を図って棒を指していった。
これを目安に管理機を動かす。結果はこちら。やはり曲がってしまったか。すいませんでした。
出来上がったら一本だけにマルチを張る。前回じゃがいものマルチの時は鍬の背で土を軽くたたいて平らにしたが、今回はじゃがいもマルチより太くなっている。そこで指導者から渡されたのはベニヤ板。4人用のテーブルくらいの大きさがある。これを畝の上に敷いて、上を歩くことで平らにしていく。
ベニヤ板で平らにした後がこちら。
できあがったらマルチを張る。ビニールが緩まないようしっかりと踏んで土をかけていく。このマルチには大根を植えるのだが、植えるように穴もあけておく。穴は三条千鳥と呼ばれる形であけた。
・なんとか一人でできた
こちらで完成。見た目の悪さはともかく、なんとか一人で最後までできたのは良かった。
おまけに軽トラに積んだ管理機をロープで固定する方法も教わった。ロープの使い方は少し複雑なので説明が難しいが、この形でとりあえず問題ないようだ。
こちらでおかもファームでの研修は終了。今までの研修成果がなんとか出せたのではと思っている。