雑草との闘い

夏は一年でもっとも草がのびる時

梅雨が終わり、台風も過ぎてすこーしだけ過ごしやすくなってまいりました、南房総です。

この時期農家さんは「あちー」と「草がー」という言葉をゾンビのようにはきだしながら、草の対処に追われています。手で抜いてる姿なんぞはゾンビそのものですよ。

そう、この時期は草がもっとも早く、強く、そしてしつこく伸びる時期なのです。

草対策の方法その⒈「草刈り機で刈る」

今一番ポピュラーな草刈りの方法といっても過言ではないでしょう。草刈り機(刈り払い機)で切り開いていくのです。

畑の未来を。作物の未来を。そして己の未来を。

こちらが農家のエクスカリバー、草刈り機です。握り部分の形や燃料の種類などいくつかタイプがありますが、こちらのようなものがスタンダードなものです。

草刈り機
一般的な草刈り機。刃は金属製で危険。事故もよく起きている。

これを炎天下の中ひたすら振り回すと、もちろん熱中症になります。夏の時期の農家さんは早朝から正午まで仕事して、休憩後は15時くらいから再開というサマータイムを導入しているところも少なくありません。

草刈り機で刈ったあと
草刈り機で刈ったあと。これくらい伸びていても草刈り機なら簡単に刈れる。

草対策の方法その2.「立ち鎌オア三角ホーでの人力」

これは実に過酷です。立ち鎌や先端に三角の刃がついている三角ホーを使い、人力で草を刈る方法です。

これを使うケースは、ビニールマルチを張ってあったり、作物が植えてある畝と畝の間の雑草です。

草刈り機だとうっかり作物を切ってしまったりするのでこういう方法になります。

立ち鎌や三角ホーは刃物ですが、雑草はなかなか強いんです。なので力をいれずにスパッといくことはありません。腰を入れて、腕に力を込めて、引っこ抜くように刈り取る必要があります。炎天下の中この作業、いやーしびれますよ、ほんとに。

ステンレスの立ち鎌
ステンレスの立ち鎌。刃の上部分のギザギザは刈った草を集めるのに使う。この鎌は刃も別売りで売っている。

三角ホー
三角ホー。除草作業以外にも溝を付けたり、畝の整形にも使える。

草対策の方法その3.「素手」

最早修行といっても過言ではないでしょう。究極の草対策、それが素手で草を抜くことです。

まあ確実だし綺麗に処理できますがね。限界がありますよ、当然。なぜこれをやる必要があるのでしょうか。

畝にマルチを引かずに栽培したり、マルチを引いていても作物の隙間から雑草が出るケースがあります。さすがにこれだけ作物が密着していると立ち鎌も使えません。なので素手で抜くということになるのです。

夏の強い草を抜くのは素手でも力が要ります。しばらく抜いていると指が痛くなったり、指の皮が赤くなってたりします。ここまでした作物なんだから、立派に育ってほしいですね。

空心菜はマルチが間に合わなかったので素手の戦いが行われています。

空心菜の話はこちらをどうぞ:空心菜は調子いいみたい

スマート草対策を心がけたい

雑草は梅雨から爆裂に生えだします。その前に出ていたものは爆裂に伸びだします。

なので夏の草対策としては、まず梅雨前にしっかりかっておくことが大事です。ここでやらないと後で森になります。ほんとに。

草刈り以外の対策としては草をはやさないようにする方法があります。無農薬農業だとビニールマルチや防草シート、昔ながらの方法だと稲わらを敷くという方法もありますね。これらは全て同じ効能です。つまり日が当たるのを防いで、草が生えないようにするということ。

雑草は主に好光性といわれてます。「こうこうせい」と読みます。光が当たって発芽するんですね。逆に「嫌光性」という種類もあって、あまり直射日光を好まないタイプもあります。かといって完全に光を遮断するわけではないんだけど。あまり光の当たらないやぶとか木陰で発芽しやすいタイプです。

このことから雑草予防は光が当たらないようにしてあげればいいんですね。そのための資材はお金も労力もかかるけど。

自力で刈るのか資材を使うのか。見極めたいところですな。

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