びろえむでの研修最終日はみその仕上げ。
びろえむでの最終研修はみそづくりの最後。豆を煮てミンチし、たるにつめる。あとは熟成を待つだけという作業だ。
先日数人で仕込んでおいたらしい大豆だ。これを圧力窯で煮るところからスタートする。合計4斗分を作業するので指導者の友人も加わり、計5人で作業していくことになった。
このたる一つで15kg(一斗)あるが、加工場の圧力窯3つ全てを使って煮るので三等分する。
分けた大豆は手のついた金属のざるに入れ、上からざるのふたをする。
火をつける前にふたが飛ばないよう蛸の足のような部分でふたを硬く固定する。かなり大きい窯なので圧力でかかる力も相当なものになる。事故のないようにきっちりセットしたい。ふたの空気穴は開けて空気が出る状態にしておく。
火をつけたら空気穴から蒸気が勢いよく出るまで強火をキープする。蒸気とともに煮汁が吹きこぼれたら空気穴を閉じ圧力をかけていく。圧力が既定の数値に達したら弱火で30分煮る。その後火を止め10分蒸らす。終わったらふたを開けるが、まず空気穴をゆっくり開放し、少しずつ圧力を下げて蛸の足をはずし、ふたを開ける。
ふたには圧力メーターがついておりこのメーターの0.05が規定の数値だ。0.05に大分近づいているのでこの時点で弱火にしてしまう。
弱火にしても圧力が上がることはある。圧力が赤いゾーンに行くとかかりすぎだ。あまりに高くなると空気穴の部分がふっとぶこともあるらしい。こちらの加工場ではないが、飛んだ部品が頭にあたり死亡したケースもあるらしい。だれか一人は窯を見張るなど、扱いには十二分に注意したい。
さて、完成した大豆はステンレスのプールに移し、しゃもじでかき回して冷ましていく。この後麹をまくが、熱すぎると麹菌が死んでしまうためしっかり冷ましていく。豆のいいにおいがする。
豆を冷ましている間に麹の準備だ。こちらが自動発酵機に入っていた麹。表面はびっしりと麹菌が張っていて触った感触はフェルトに近い。酒のようなかびのような何とも言えないにおいがする。混ざりやすいようにぱらぱらにほぐす。
豆が冷めたら麹をまき、塩も加えてよく混ぜていく。
出来上がったら最終工程だ。ステンレスプールには一か所出口があり、ここから混ぜ合わせた豆をしたに落としていく。落とした先にあるのはミンサーだ。豚のひき肉をつくるあれだ。上から落とされた豆をミンチして水色のプールに出していく。
ミンサーの金属部分はかなり重量があり、パワーも相当のものだ。万が一指を挟めば確実に無くなる。作業は専用の棒を使い、詰まったりしたら一旦電源を切ってつまりを取り除くといった徹底した危機管理が必要だと感じた。
ミンチされた豆を丸めてボール状にして、たるに投げつけるように入れていく。投げるのは空気が入らないようにするためだ。さらに空気を入れないためにこぶしで押しつぶして、ぎゅうぎゅうに詰めていく。
これで加工場の作業は全て終了だ。4斗分は結局朝8時からはじめて15時近くまでかかった。
この後はラップで空気に触れないようふたをし、その上にぬかを敷く(塩を混ぜたものだったか。記憶があいまいだ)。ぬかにかびが生えることで下のみそまで行かないというしくみだそう。ふたの仕方はいろいろあるらしいので、自宅用を作ることがあれば他のやり方も試してみたい。熟成完了は8月ごろの予定だ。最低半年は寝かせるとのことだが、好みで一年物、二年物と時間をかけて熟成する人もいるらしい。こちらもいろいろと試してみたいものだ。
これにてびろえむの研修は終了。みそは自宅用にも、販売用の加工品にもできるのでいい経験になった。
月曜は南房総太陽農園での最終研修だ。筋肉痛もなくなってきて、農作業の体ができてきたように思う。
余談になるが、今回はみそづくりだったので装備していなかったが、最近農作業時にはこちらを装着している。
Samson’s Lovery Farmの指導者の勧めで購入してみた。筆者は178cmとやや長身なので腰へのダメージは大きい。体が資本の仕事なので腰を痛めて作業できなくなるなんてことがあれば、収入に直結してしまう。できるだけこういったものを取り入れて体への負担を和らげるのがいいだろうとおっしゃっていた。こちらはドラッグストアで3,000円程度で買えるので、農作業をする人は常備しておきたい代物だ。
雨でなければ長靴より足袋の方がいいとの情報もあった。農作業は一日に低めの山を登るくらいの運動量があるので、できるだけ負担をかけない装備を手に入れておきたい。もちろん価格にもよるが。